「ビギナーズラック」今野敏著
「ビギナーズラック」今野敏著
ローンで購入した愛車で横浜新道をドライブ中の島村は、周囲を暴走族に囲まれてしまう。最近、親しくなった助手席の真理を家がある茅ケ崎まで送る途中だった。暴走族に幅寄せされ、反射的にハンドルを切った瞬間、暴走族のバイクと接触して、相手が転倒。強制的に車を止められ、島村と真理は車外に引きずり出される。
2人を近くの林に連れ込んだ暴走族は、島村の目の前で真理を暴行するため服を引きはがしはじめる。なすすべもなく従った島村は、自分が情けなくて仕方ない。その情けなさが怒りに変わり、男たちの隙をついて島村は反撃に出るが……。(表題作)
ほかにも人気シリーズ「公安外事」の倉島が登場する「公安の仕事」など、警察小説の第一人者による初期短編集。
(徳間書店 869円)