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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

格差婚も順調 歌ネタブームが後押しする椿鬼奴の“持ち味”

公開日: 更新日:

 そんな鬼奴の趣味は、歌を歌うこと、お酒を飲むこと、パチンコを打つこと。これだけを見るとトンでもなく無頼派の芸人という感じもするが、暇を持て余したOLのささやかな楽しみだと思えば、納得できなくもない。

 実際、酒の飲み過ぎで声はガラガラにかれているのにどことなく上品さが漂っている。言動の端々から育ちの良さと人柄の良さがにじみ出ているからだろう。しかし、珍しく感情をあらわにしたことがある。昨年「徹子の部屋」に初めて出演した時だ。この番組に出演するのが夢だったという彼女は、あまりの感激に黒柳徹子を前にして号泣。思わず徹子ももらい泣きした。純粋な人柄がうかがえる一幕だった。

 そして、鬼奴が芸人として輝くのは何といっても熱唱している時。レイザーラモンRGと組んでバービーボーイズに扮し、「目を閉じておいでよ」を歌う姿は元ネタを知っている同世代のファンを熱狂させた。8・6秒バズーカー、クマムシ、永野など最近は歌ネタで話題になる芸人が多い。歌ネタブームにも後押しされて、2016年は鬼奴の味のある歌声を楽しめる機会も増えていきそうだ。
お笑い評論家・ラリー遠田)

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