ヤクルト1本を4人で分け合い 宇都宮まきの“極貧”実家秘話

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 父はその頃、阿波座にあった喫茶店の雇われマスターやったんです。それなりに頑張ってくれてたんですけど、お給料はそれほどでも……。かといって、母は4人の子育てに精いっぱいで働きに出られへんから、毎日カツカツやった。

■のどが渇いたら「花の蜜」

 小遣い? そんなん、ないない。友達と遊んでて、のどが渇いたら他の子はジュース買うてたけど、私は花の蜜吸うてました。とくにツツジがおいしかったですね。

 ある時、花壇のツツジを全部吸い尽くしたら、友達に「まきちゃん歩くところにツツジなし」と言われたほどです(笑い)。

 ヤクルトだって、あの65ミリリットルのプラスチックのボトルを丸々一本飲んだんは吉本(興業)に入ってからです。

 なんばグランド花月で新喜劇の出番待ちしてたら、ちょうどそこへヤクルトさんが来て、そばにおった(中田)ボタン師匠が「好きなもん飲んでええよ」って。それまではきょうだい4人で分けてたんで、1人が飲める量なんてホンマになめるほど。そやから「全部飲めるって、夢ちゃう?」って、めっちゃ感動でした。師匠にパーッと後光が差してましたよ。

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