伊藤かずえが“姉貴”と慕う いとうまい子の意外な頼もしさ
■恋愛相談をしたら「あたしが確かめてあげる」
演技のことだけでなくプライベートも相談しました。親や兄弟、友達よりずっと一緒にいましたからね。恋愛相談に乗ってもらったこともあります。好きな男の子がいて、彼の気持ちがわからなくて悩んでいたんですね。それでまい子が「あたしが気持ちを確かめてあげる」って、いきなりスタッフルームの黒電話から「どうなの?」ってかけちゃって。相手はしどろもどろだったみたいで、「かずえ、あんな男やめな。好きってはっきり言わないし、男らしくない」ってすごく怒ったんですよ。結構、頼もしいんですよ(笑い)。
話題になったのは3作目の共演の「不良少女とよばれて」(84年・同)。私は少年院に入っていた通称モナリザでした。番長の曽我笙子を演じるまい子との乱闘シーンは本気で演じたけど、忘れられないのは笑いを抑え切れなかったセリフ。「勝った方が負けた方の骨壺を蹴飛ばすまでさ!」って凄みを利かせるんだけど、当時の私たちにはそれがなんかおかしくて。顔を見合わせると噴き出しそうになって、どうにか意識を集中させてNGを出さないようにして乗り切ったのを覚えています。