苦節19年…はるな愛が振り返る“世界一”に選ばれた時の一枚
父にはロレックスの時計をプレゼント
そんな中で戴冠。おまけに「タレントの天使(ベストタレント)賞」まで受賞したのでうれしさもひとしお。そしてティアラを頭に載せてもらいながら思い浮かべたのは、お父さんにカミングアウトした日のことです。
当時、高校生。すぐに手が出る父親だったので、他人がいる場所が無難だろうと自宅そばのファミレスに来てもらい、「女の子で生きていきたい」って告白したんです。そうしたらお父さんは奥歯を噛みしめ、涙を浮かべながら「わかった。おまえがそこまで言うなら、男なら一番になって、絶対人生悔いのないように」。「女になりたい」って言ったのに「男なら」ってあたり、今思うと笑えるんですけど、あの日から19年目にしてやっと世界一のニューハーフに選ばれたんです。本当に長い道のりでした。
優勝賞金は現金で1万USドル。他にパタヤリゾートの1年間の宿泊の権利とバンコク―プーケット往復航空券などがあって、賞金にポケットマネーを足して、お父さんにはロレックスの時計をプレゼントしました。少しは親孝行できたかしら。
でも、考えさせられることも多かったわ。ネパールの方はお国がニューハーフやLGBT(性的少数者)に対する偏見が強くて、道を歩いてるだけで暴言を浴びせられたり、暴力を振るわれたりって実情を話してくれて、どうしたらいいか、みんなで話したり慰めたり。日本だって偏見はあります。私がマンションを借りる際、ニューハーフを理由に何度も断られてますしね。その点でも優勝したことで少しでもLGBTを知ってもらえるきっかけになってくれたらいいなと思ってます。
どんな人でも楽しく生きられる国。それが本当の美しい国じゃないかしら。
■ミニアルバムリリース
「BONダンス」
タイトルになった新曲のほか、「さそり座の女」(美川憲一)、「人生一路」(美空ひばり)のカバーなど5曲を収録。
■インストアライブ
21日15時、加古川ニッケパークタウン(兵庫)/28日13・16時、ピエリ守山(滋賀)/29日13・16時、イオンタウン郡山(福島)/5月5日13・16時、リバーサイド千秋(新潟)