ヒロシさん<1>親にバイトと言われ…保険会社に採用される
「芸人を目指したきっかけは低学年の頃。僕は転校先で、いじめられていたのですが、毎月行われていたクラスの誕生日会である時、みんなの前で『8時だョ!全員集合』のコントを真似て見せたんです。思いのほかウケていて、それ以来扱いが変わった。人を笑わせると周囲の反応が変わるのだと思いました」
その後、漫才ブームが起きる。ツービートや島田紳助・松本竜介らが活躍する姿を見て、漫才師への夢を抱いたという。
「中学生の時、三者面談で、先生に『将来何になりたい』って聞かれたので、『漫才師になりたい』って答えたんです。すると『無理だ』と返されましたよね。先生や親は良かれと思って言ってくれるし、僕も言うことを聞いていたけれど、いまなら自由にやればよかったと思います」
ヒロシさん(46)は、九州産業大学商学部を卒業しているが、「大学の4年間はもったいなかった」と振り返る。
「何を学んだわけでもないし、生活費は自分でバイトしましたが、学費は親が出してくれました。肉体労働をしていた親は、勉強する環境になかったんだろうし、学歴で仕事が決まった時代だったのかもしれません。でも、僕としては早くお笑いを始めたいと思っていました」