売り言葉に買い言葉 談志に「何が飛んできても知らねえ」
売り言葉に買い言葉で、思いもしない事態になってしまった。どうして談志がそんなことを言ったのか。当時、立川流のシンパとして談志周辺を取材していた私が推察すると、弟子から上納金を取っていることをマスコミに批判されていた時期で、弟子が協会に戻るのは、上納金制度を否定されたことになる。さらに言えば、虫の居所が悪かったとしか言いようがない。
「2人きりの時は優しい兄さんなんだよ。ホテルの2人部屋に泊まった時なんか、寝相が悪い俺が掛け布団を足で蹴飛ばしたら、そっと掛けてくれたこともあった。気が付いたけど、礼を言うのも照れるから寝たふりしてた。そんなにいい人が、時々豹変して悪い人になっちゃうんだ」
馬風の弟子になった談生は鈴々舎馬桜と改名し、現在も馬風一門にいる。 =つづく
(聞き手・吉川潮)