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影山貴彦同志社女子大教授

▽かげやま・たかひこ 同志社女子大学学芸学部メディア創造学科教授。1962年、岡山県生まれ。早大政経学部卒。86年に毎日放送入社、「MBSヤングタウン」ほかテレビとラジオの番組を手掛ける。ABCラジオ番組審議会委員長、GAORA番組審議会副委員長、日本笑い学会理事。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」(実業之日本社)、「おっさん力」(PHP研究所)、「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

吉本は政権と蜜月 笑いを生業とする企業は一線を画すべき

公開日: 更新日:

「歴代首相で吉本の舞台に立ったのは初めて」と報じられたが、そんなものは至極当然。そもそも芸人は無頼で権力に近寄らないものだ。笑いを生業とする企業は権力と一線を画すべきである。

 これから自粛ムードの中、どうやって笑いを再提供していくかも送り手側の力量を問われる。2011年の東日本大震災の後、早々にある放送局がZARDの「負けないで」を流し、ひんしゅくを買った。被災したばかりで動揺している人にとっては傷口に塩を塗るような行為だった。同時に放送局の他人事なものの見方があからさまになった。

 阪神・淡路大震災後しばらくの間、僕は毎日放送でバラエティー番組からラジオの報道特別番組に組み込まれた。放送していたのは、救援物資など被災者に必要な情報だった。ひたすら被災者に寄り添い「もうそろそろ元気になる曲かけてくれへんか?」という声が聞こえるようになって初めて音楽を流した。受け手の心境をしっかり把握しなければ、善意も残酷なことになりかねない。エンタメの送り手は、こういう時こそ視聴者に寄り添うべきである。

(構成=岩渕景子/日刊ゲンダイ)

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