映画「ミナリ」アカデミー受賞にハリウッドの壁とNetflix
80年代のアーカンソー州を舞台に、移住してきた韓国人一家の奮闘を描く感動ドラマ。一家の父ジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、コツコツと働いて貯めた金で農地を買い、故郷の野菜を植えて成功を夢見ている。
だが大陸ならではの天災被害や、頼みの地下水が枯れてしまうなど次々と災難が襲い掛かり、やがて家族の絆までもが危機にさらされる。
■「パラサイト」に続き2年連続で韓国作品
多民族・移民国家であるアメリカの人々にとって、家族が一丸となり困難に立ち向かう姿は確かに琴線に触れるものだろう。さらに昨年の覇者「パラサイト 半地下の家族」に続く韓国モノでもある。いち早く公開した韓国市場でも興収1位を独走している。
「良くも悪くもそこが問題です。確かに初の韓国映画の作品賞受賞は、世界的な話題となりました。しかし実際には、授賞式の視聴率は史上最低だったのです。別に韓国や『パラサイト』のせいとは限りませんが、業界内の功労賞の側面が強いアカデミー賞においてはマイナスのイメージです。しかもコロナ禍の映画業界にとっては、配信で救われた“恩義”があるネットフリックス作品の『シカゴ7裁判』、『ミナリ』以上に前哨戦で優位の『ノマドランド』など今年は強豪揃いです。そう簡単には勝たせてくれませんよ」(前田氏)
4月25日に予定されている発表まで、まだまだ目が離せない。