著者のコラム一覧
船山基紀編曲家

1951年、東京都生まれ。編曲家。デビュー作は中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」。昨年死去した作曲家・筒美京平と組んだ作品が一番多く、沢田研二、渡辺真知子、田原俊彦ら数々のヒットを飛ばした。昨年12月に編曲を手がけた作品を収録した「船山基紀 サウンド・ストーリー」(ソニー・ミュージックダイレクト、CD4枚組72曲)をリリース。

イルカさんと五輪真弓さんは中野区の小学校に通った同学年

公開日: 更新日:

 長い年月、言葉を交わすこともなかったのに、とても自然にお仕事ができたんです。これも彼女のお人柄ゆえでしょうね。

■神々しい母の声に聴き惚れた五輪真弓さん

 五輪さんとは「恋人よ」以前から長いお付き合いをさせていただいています。レコーディングの時に、音楽のイメージをつかみやすくするために歌を入れます。それを「仮歌」というのですが、オリジナルで発売された「恋人よ」の歌唱は五輪さんが仮歌で歌った時のものなんです。もちろん本番で歌入れもしていますが、仮歌があまりにも素晴らしかったので、それがリリースされることになったんです。

 五輪さんがレコーディングで歌う時、本番、仮歌にかかわらず歌詞やメロディーを間違えることがないんですよ。きちんと下準備をされて、いつも完璧なんです。

 そんな五輪さんがお母さんになられて、ある時レコーディング合宿にお子さんを連れて来たことがありました。まだ小さかったお子さんを寝かしつけるために子守歌を歌い始めたんですけど、その声のなんと美しいこと! 歌手五輪真弓ではなく神々しい母の声でした。その場に居合わせた全員が聴き惚れましたね。癒やしの声とは、こういうことなんだと感動しました。いまだにあの子守歌は、僕の耳に残っています。

【連載】船山基紀 ヒット曲の裏側 編曲家の仕事術

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」