著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<72>野崎幸助さんは午後6時半には死んでいた? 早貴被告は遺体に一度も触れず

公開日: 更新日:

 私は大下さんが証言した「カチンカチン」に違和感を覚えていた。野崎幸助さんが倒れているのを発見した時、すでに体は硬くなっていたというのだ。

 もちろん室温とか年齢、筋肉の量によって異なるらしいが、最低3~4時間は経過しないと死後硬直にならないはずだ。とすると午後10時に遺体を発見したとして、6時半ごろには死んでいた可能性があると素早く計算をした。では8時にガタンという音が2階でしたというのは、どういうことなのか。

「豪邸で2階の音が下にするのか? 怪しくないですかねえ。この時点で野崎さんは生きていたということですか」

 事件後にそんな疑問がワイドショーで流れた。しかし、何度も書くが、ドン・ファンの自宅は豪邸ではなく、音が階下に聞こえることは珍しいことではない。リビングで寝起きした経験がある私は、そのことをよく知っていた。

 私はソファに腰掛けていた社長の足が、硬直によって床に落ちた音ではないかと思っている。

 8時すぎの物音はひとまず置いておき、その後は今後のことをどうするのかという話になった。

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