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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

期待に応えるのは当たり前 夢以上を与えるから木村拓哉にみんな熱くなる

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 極め付きは木村主演のドラマ「Beautiful Life」(TBS系)に影響され美容師になり、独立して自分の店を持ったときにはドラマと同じ「HOT LIP」を店の名前にした。

 それを聞いた木村は会うことを快諾。しかし、ただ会うだけではない。「自分もこの番組に参加させてもらう以上、フルアクセルで行くんで」と、なんと「HOT LIP」のセットを完全再現することを提案し、復活させたのだ。

 木村はそれだけでも終わらない。かつてのキャストも集結させ、男性主演で「Beautiful Life」特別編を撮影し、今度は妻までをも喜ばせるのだ。「やるんだったらそれぐらいやろうぜ」と。

 男性は「夢以上のものがかなった」と語っていたが、まさに木村は周囲の期待に応えるのは当たり前、それ以上のものを提示し、「夢以上」のものを与え続けてきた。それこそがスターたるゆえんだ。

 木村について、縁のある人たちに取材をした笑福亭鶴瓶伊藤英明にしても、爆笑問題太田光も、大友啓史監督も、木村拓哉のことを語るとき、「みんな熱くなる」と語っている(TBS系「A─Studio+」23年1月27日)。魅力を熱弁したくなる存在なのだ。

 冒頭の番組でも役を演じる際、「何があってもやりきる覚悟」を大事にしていると語っていたが、木村は常に「木村拓哉」であり続ける覚悟を貫いている。だからこそ、木村拓哉は一流の芸能人も含め、周囲の人たちを「熱く」させるのだ。

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