坂本龍一氏はがんとの闘いの中から、命懸けで戦後民主主義の危機に警鐘を鳴らし続けた
「先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」と小池都知事に手紙を書いた。それだけでもどれだけ大変だったであろう。ところが小池都知事は「事業者に手紙を出せばいいのでは」とまるで他人事。血の通った人間の言葉ではない。オリンピック招致のあたりからにおい出した再開発の怪しさを坂本氏は感じ取っていた。
「コロナ対策」についても厳しく批判した。日本の初期対策を「非常にぬるい。一貫性がないし、長期ビジョンもない」と断じ「検査数が絶対的に少なすぎます」と指摘した。そしてドイツが「社会民主主義的な福祉体制を維持できていた」のに対しイタリアは「新自由主義的な政策によって病床数の削減や合理化を進めてきた(日本の関西の都市に似ているね)そのツケを一気に払わされ医療崩壊が起きた」と喝破。
そして「安倍さんはその新自由主義に乗っているだけ」と言い「安倍さんはとても『保守』とは言えない」「保守的なそぶり」は「ジェスチャー」「その本質は、アメリカ追随とネポティズムと露骨な大企業優遇です」と見抜いていた。そして「国民はもっと怒るべきです」と言う。
本日4月5日には坂本さんの遺志を継いで神宮外苑再開発に反対する抗議デモが行われた。まだまだ間に合う。統一地方選挙もある。坂本氏の言葉と音楽を胸に、それぞれがそれぞれの怒りを持ち、それぞれの闘いを続けていこうじゃないか。