著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

坂本龍一氏はがんとの闘いの中から、命懸けで戦後民主主義の危機に警鐘を鳴らし続けた

公開日: 更新日:

 坂本龍一氏が亡くなった。まさに巨星墜つ。その活動は世界レベル。音楽だけではなくその存在そのものが人々に大きな影響を与えた。国葬というものがあるなら(あったような気もするが)真にこの人こそふさわしいのではないか。

 政治的発言も真摯に鋭く、「原発」「神宮外苑再開発」「コロナ政策」などに抗議の声を上げる姿は頼もしく勇気をもらった。だがそういう発言が凄まじいがんとの闘いの中で命懸けで発せられていたとは不覚にも存じ上げなかった。「苦しい。もう逝かせてくれ」とまで漏らすのは、よほどのことだっただろう。

 9.11でアメリカの覇権主義に疑問を持ち「世界は簡単に戦争をする」と気付き、3.11では「日本は民主主義国家なのか、ここは原子力帝国ではないのか」と考えた。原発の劣化、テロの標的になりかねないとして、「時間が経てば経つほど危険性は増す」と訴えた。原発反対の声を上げると坂本龍一氏でさえも仕事が減ったという。

 神宮の森の再開発にも抗議した。がんは身体を侵し尽くし、抗議運動の先頭に立つことはできなかった。インタビューには書面で答えていた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」