(12)いつまでも「年だから?それがなにか?」って気持ちでいなくちゃね
「私と同世代の人のなかには、“私ももう年だから”っていう言葉を口にする人が結構多い。でも、よく観察してみると、そういうタイプの人は2種類あって、1つ目は自分の衰えを実感して、それを嘆くだけのタイプ。でも、こういう人はただ嘆いているだけ。衰えていく自分を変えようとしているかというと、そうでもない。だから、できることが減っていってどんどん老け込んでいく。
言霊っていうのかしら。それほど自分では感じてもいないのに、年だ、年だって口癖のようにいっていると、本当にそうなっちゃう。それじゃあ、知らない間にどんなことにも後ろ向きになっちゃう。普通はニコニコしながら“年だから”なんていわないから、表情も暗くなる。暗いとまわりの人からも距離を置かれてしまう」
残された時間はかぎられるのだからと前置きして、中尾さんはつづける。
「2つ目のタイプは、たまには“年だから”って口にすることはあるけれど、すべてにおいて前向きで、老け込んだ様子がない人。実際、私自身もそうありたいと思っているし、そのために努力もしている。そういうタイプの人でも、もちろん“年だから”っていうことはあるんだけど、それは単純に謙遜とか方便みたいなもので、実際には自分ではそう思ってはいない。