NHK大河ドラマ「光る君へ」で“貴族女子会”シーンがやたら多い今どきの事情
「源氏物語」の作者・紫式部を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安貴族たちの抗争に翻弄される女と男の純愛物語で、それはそれでいいのだが、どうにも気になるのが姫様たちの女子会シーンだ。下級貴族の娘のまひろ(紫式部・吉高由里子)も末席に交ぜてもらっている。天皇のひ孫の母子や女房(教育係)らと和歌を学び、イケメン殿御の噂話で盛り上がり、貝合わせや囲碁などゲームではしゃぐ。たわいないおしゃべりと口を隠した「オホホ……」が繰り返されるだけで、とくにストーリー展開に意味があるとも思えないのだが、ほぼ毎回のように登場するのだ。
それでなくても、戦や立ち回りのない大河にイライラしているおじさん視聴者は、テレビの前で「チャラチャラして目障りだ」と不適切な突っ込みをしているだろうが、NHKには実はとても大切なシーンなのである。ベテラン構成作家はこう話す。
「NHKは3年ほど前から、英国放送協会BBCが提唱している『50:50THE Equality Project』を進めているんです。報道、バラエティー、ドラマなど、すべての番組で出演者を男女同数にしようというプロジェクトで、『光る君へ』も参加しています。女性が主人公とはいえ、天皇や公卿のやりとりは男ばかり。藤原道長(柄本佑)ら男子会の『雨夜の品定め』もありました。こうした場面とバランスをとるためにも、女子会シーンは不可欠なのでしょう。吉田羊の藤原詮子がなにかと絡んでくるのも同じ理由です」