落語家・桂ざこばさん急逝で…「関西ローカル番組の東京化」待ったなしの危機

公開日: 更新日:

 落語家の桂ざこばさんが12日、喘息のため、自宅で亡くなったことを所属の米朝事務所が明かした。享年76。

 4月30日には、弟子の襲名会見で元気な姿を見せていただけに、身内はもちろん関西芸能界もショックと驚きを隠せない。1963年に3代目桂米朝に弟子入り。桂朝丸時代から寄席だけでなくラジオやテレビで活躍し、「ウィークエンダー」(日本テレビ系)のリポーター、「三枝の愛ラブ!爆笑クリニック」(関西テレビ、フジテレビ系)などで全国区の人気者に。ニュースや芸能界の暗黙の了解にも鋭く切り込み、持論を展開する社会派の一面も。長年「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)にゲスト出演し、動画で同番組を見る若年層など幅広い年齢層に支持されていた。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏がこう言う。

「一見すると怖そうに感じますが、大変情に厚い方で、関西の多くの視聴者はもちろん、業界内にもファンの多い方でした。チャーミングという言葉が似合うキャラクターだったように思います。好き嫌いのハッキリしているところがあられて、それがまた小気味良かった。ざこば師匠のような“攻める芸”を持った“関西らしい芸人”“皆から愛される演者”がまたひとり天国に旅立たれたことは残念でなりません」

 近年は炎上を恐れ、タレントのコメントが無難すぎてつまらなくなったという「関西ローカル番組の東京化」が問題に。やしきたかじんもとうに泉下の人になった今、歯に衣着せぬ“ざこば節”がもう聞けないのは関西だけでなく、日本の芸能界にとって大いなる損失だ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差