神戸は「シティーハンター」で経済効果1億円! ロケ誘致→聖地巡礼が地方再生のカギに
その立役者が、「神戸フィルムオフィス」というわけだが、その手腕はなかなかのものだと増淵氏はこう続ける。
「『神戸フィルムオフィス』は現在、100以上の団体が加入している『ジャパン・フィルムコミッション』の中でも2番目くらいに古い団体で、それを牽引してきた組織のひとつです。同組織は、各地のNPO、市の観光課、観光協会などが加入していますが、小さな町や村だと、財源がうまく確保できてない事例も多いんですね。イギリスのフィルムコミッションなどは、宝くじなどの財源で運営されていて、さらに作品に投資したりもするんですが。神戸は現在、人口減少という問題を抱えているので、集客人口を増やすために、長年にわたる積極的な施策が功を奏したのだと思います」
またロケでの「直接経済効果」ばかりでなく、作品が話題になれば、さらなる果実が実る可能性もある。
「もちろん、こうしたロケの誘致が“聖地巡礼”などのコンテンツツーリズムにうまくハマれば、観光客は増えるので望ましい方向だと思います。しかも今回の『シティーハンター』は原作に忠実で評価が高い。コンテンツツーリズムはコンテンツ自体の人気に大きく左右されますからね。ヒット作じゃないとマニアの人しか行かないですから(笑)。そういう意味では、神戸フィルムオフィスは、長年にわたり多くのロケをこなし、経験値も上がって、頑張ってきたのだと思います」