「時代とFUCKした男」加納典明(12)畑さんが「ほうほう、ほうほう」って呼ぶと、林の中から馬が現れるんだ
同じ原野でも違って見える
加納「うん。そうそう」
増田「道産子なんか体重が何トンもあったり。脚なんかサラブレッドの5倍か10倍くらい太くて、たてがみがライオンみたいにふさふさで凄い迫力があります」
加納「そうなんだよ。道産子なんか放牧しておいて平気な馬だから、王国のなかの林や湿地を自由に歩いたり走ったりしてるわけだ。それで畑さんが『ほうほう、ほうほう。ほうほう』って呼ぶと林のなかから次々に現れる。で、畑さんがジャンバーのポケットに入れてたお菓子なんかをやってた。それを横で見ながら『いいなあ』って思ってた。いいんだよ、その畑さんと道産子たちの関係が」
増田「典明さんが飼ってた4頭は道産子じゃないんですか」
加納「クオーターとか、他の雑種もいたし。いろいろいた。中央競馬のバリバリのサラブレッド、ダービーと皐月賞取ったタニノムーティエ*の弟も来てた。俺は体重があるからあんまりサラは乗っちゃいけないんだ。足やっちゃうから。でも、乗ったこともあって、それはやっぱり別世界だったな」