老いても避けたい「骨粗鬆症」 知っておくべき判定法と治療法
■家族歴でもリスクに差
薬を3~5年服用し、骨密度がよくなっていればいったんやめる。そうでなければ、メリットがデメリットを上回るため、継続服薬する。
骨密度のYAM値が70%未満でも、レントゲンで骨折が確認されなければ、運動療法と食事療法で経過観察をするか、活性型ビタミンDや女性ホルモンの受容体の調整をするサームといった比較的作用の軽い薬を用いる。
「69%や68%といった70%に近い数字で50代以下なら、すぐに薬は使いません。年齢が60代以上だったり、YAM値が60%台手前なら、軽めの薬を飲んでもらいます。活性型ビタミンDなどは長期的に飲んでも大きな問題はありません」
Aさんの母親は、幸いなことにレントゲン検査で骨折が認められなかった。週3回以上プールに通い、既往症はなく、食生活に気を使っていることから、運動と食事はクリア。年齢とYAM値から、活性型ビタミンDなどから始めることになった。
「骨粗鬆症のリスクは家族歴によって大きくなる。家系に骨粗鬆症の人がいれば早めに治療を行います。やせ形、喫煙・飲酒習慣がある人も骨折のリスクが大きいので早く治療を始めることがあります」
重要なのは、骨粗鬆症の治療は、骨折を起こす前に始めなくてはならないということ。骨折してからでは遅いのだ。