3年で20億円の予算 米NY市で「ジカ熱」対策が本格始動
ようやく緑に包まれ始めたニューヨークで、ジカ熱との戦いが始まっています。
ニューヨークでは、これまで59人のジカ熱患者が報告され、そのうち8人が妊婦です。いずれもニューヨーク以外で感染したとみられ、全員が回復しています。
しかし、暑い季節の到来とともに、感染の拡大が予想されています。NASAはジカ熱の拡大を予測する異例の地図を発表。それによると、最もリスクが高いのは南部のフロリダやテキサスですが、ニューヨークはその北限として中程度のリスクとされています。
ニューヨーク市では、向こう3年間で約20億円の予算を計上し、4月下旬から「ファイト・バック NYC」と銘打ったキャンペーンがスタートしました。地下鉄の車内などに広告が目立つようになっています。ジカ熱は健康な人がかかってもほとんど症状がないか、すぐに回復するが、特に妊婦が感染すると小頭症の子供が生まれる可能性があることを伝えています。
さらに、屋外では虫よけスプレーを使用し、肌を露出しないようにすること。蚊が発生しやすい庭の水たまりやプランターなどを除去すること。公共の場所でそのような水たまりを見つけた場合は通報することなどを呼びかけています。
ニューヨークをはじめアメリカでは、1999年から数年間、蚊が媒介するウエストナイル熱が猛威を振るい、これまで多くの人が亡くなりました。それ以来、夏になると、蚊を駆除するための殺虫剤の散布が市内各所で続けられており、ジカ熱に対しても同様の措置を取るとしています。