“様子見”で死に至るケースも 「脂肪肝」治療の誤解と対策

公開日: 更新日:

 肝臓の左右の組織を取って生検した場合、それぞれの状態(脂肪肝がどの程度進行しているか)が一致するのは5割ほどとの報告もある。

 今城医師らは最近、「NASHの状態をMRIで検査できる」という研究結果を発表し、高い評価を受けた。生検で指摘されていた問題点はクリア。生検では見えてこない「肝臓全体がどれくらい硬くなっているか(進行しているか)」が一目瞭然なのもポイントだ。

「肝臓は均一に硬くなっていくといわれてきましたが、MRIで硬い場所とそうでない場所があることも実証しました。今後はより詳細な重症度の分類に役立てられるでしょう」

【まずMRI、次に生検】

 現段階では、脂肪肝の判定は生検が基本。それが、脂肪肝の状態をチェックできるMRIの普及で変わるかもしれない。

「MRIは、肝臓の脂肪の蓄積具合(脂肪化)、どれくらい硬いか(線維化)が分かる。しかし、炎症や肝細胞の破壊がどの程度かは、生検でないと分かりません。まずMRIで深刻な脂肪肝の有無を調べ、深刻であれば必要に応じて生検でさらなる検査をする流れが脂肪肝の適切な治療では望ましい」

 診断技術や治療は進歩している。患者側は、まずは「脂肪肝の深刻性」を認識しなくてはならない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”