手術不能の肺がんに新薬登場 今後の治療はどう変わる?

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 手術ができない進行・再発肺がん(非小細胞肺がん)の新しい抗がん剤が承認された。これによって肺がん治療はどう変わっていくのか?

 今回の新薬は「ラムシルマブ(商品名サイラムザ)」。がん細胞に栄養を供給する血管が新しくできるのを阻害し、増殖を抑える。試験では新薬によって、「奏効率・病勢コントロール」「無増悪生存期間」「全生存期間」のすべてが延びた。神奈川県立がんセンター呼吸器内科医長の加藤晃史医師は「混沌とした戦国時代に、新薬がひとつの答えを出した」と話す。分かりやすく説明していこう。

■臨床の現場で効果を実感

 手術ができない肺がんは「抗がん剤(+肺がんのステージによっては放射線)」が標準治療だ。残念ながら初回の治療で治癒する人はまれで、99%が数年以内に再発する。

「そのため2次治療、3次治療まで見越して初回治療を行います」

 2次治療の王座のような立場にいた抗がん剤が「ドセタキセル」だ。単剤で用いられてきたが、別の薬との併用で全生存期間を延ばせないか? さまざまな薬の試験が行われてきたが、「これぞ」という結果が出てこなかった。

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