日常的な食事が薬に匹敵 心臓を救う「地中海食」の効果
■「地中海食」に欠かせない食材と健康効果
地中海食には、以下のような特徴がある。①穀物、豆類、キノコ、緑黄色野菜、果物を多く取る。②油は純正オリーブオイルを使う。③青魚を多く食べる。④肉は赤身を少しだけ食べる。⑤ヨーグルトやチーズなどの乳製品を適量食べ、チーズはナチュラルチーズを使う。⑥適量のワインを飲む。⑦ハーブを上手に使う。⑧甘味は果物やハチミツで取る。
こうした食事を日常的に摂取している地中海地方に住む人々は長寿で、心臓病やがんなどの発症率が非常に低いことが知られている。そのため世界的に研究が進み、普段の食事が地中海食に近い人ほど、心血管疾患、認知症、がん、糖尿病、うつ病などの発症リスクが低くなると報告されている。
「オリーブオイルやナッツは単価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を含んでいて、悪玉コレステロール除去や、過酸化脂質の生成を抑制する作用があります。青魚には中性脂肪を減らす多価不飽和脂肪酸が豊富で、高血圧、動脈硬化などを防ぐ効果があります」
緑黄色野菜からは抗酸化作用の強いファイトケミカル、豆類やキノコ類からは食物繊維を多く摂取することができる。パスタなどのGI値(血糖上昇指数)の低い全粒の穀物は、急激な血糖上昇を抑えられる。