マンモだけ? 次の乳がん検診は「乳腺濃度」も要チェック
「『高濃度』から『脂肪性』のどれに該当するかは、乳腺専門医であればマンモの写真から一目瞭然です」
ところが、残念ながら、マンモを受けても乳腺濃度を知らされていない人が圧倒的に多い。乳がん検診の報告書に、乳腺濃度についての項目がないからだ。
乳がんには腫瘍(しこり)で発見されるものや、石灰化で発見されるものなどがある。そのため、乳がん検診を受けた時の報告書には、「腫瘍」「石灰化」「随伴するその他の所見(局所的非対称性陰影、構築の乱れ~乳腺のゆがみ~など)」の項目がある。しかし、これらに問題がなければ、たいていは乳腺濃度の情報はもたらされず、「異常なし」と告げられる。本気で乳がんの早期発見を考えるなら、マンモを受けた時、自分から「乳腺濃度はどうですか」を聞く。必須ポイントだ。
■理想は「両方」
「乳がん検診で一番の誤解は、『マンモを受けていれば万全』という考え方です」(濱岡医師)
マンモは国が推奨する乳がん検診。厚労省は「40歳以上の女性は原則としてマンモを2年に1度受ける」とガイドラインで提言しており、自治体で補助が出るのもそれに該当している場合だ。しかし、マンモは石灰化に起因する乳がんの発見を得意とし、超音波は腫瘍から生じる乳がんの発見が得意。腫瘍からの乳がんが圧倒的に多いので「どちらか1つ」なら超音波だが、それだけでは石灰化からの乳がんは見落としてしまう。「両方が理想」なのはそういう事情からだ。