ニボルマブは効果と副作用の予測がまだ分かっていない
喉頭がんと闘ってきたFさん(79歳)から、時々、病状を知らせる手紙が届きます。前回の手紙には、「新たに肺がんが見つかって化学療法を開始したが、白血球数が減り、なかなか治療は進まない。効果も明らかでない。自分は長くは生きられないだろうと思う」と書かれていました。
その手紙から3カ月たった今回の手紙には、こう綴られていました。
「最近、『ニボルマブ』(商品名オプジーボ)を開始しました。今日は2回目の点滴を行ってきました。いまのところ副作用もない。2カ月投与してみないと効くかどうか分からないと言われています」
私は「ニボルマブがなんとか効いてくれ!」と思うと同時に、その副作用が心配になりました。まだ、はっきり分かっていないことが少なくない薬だからです。
先日、ある「医療者のためのがんセミナー」の企画委員が集まった際、専門医たちの間でニボルマブの話題が持ち上がりました。「薬の副作用のため、すでに数人が入院した」という話もありました。他にも「高額の医療費が問題だから、75歳以上の方には遠慮いただくという意見はどうだろうか?」「肺がんに保険適用を拡大する時に半額にすべきだったよ」など、さまざまな意見が聞かれました。