糖尿病の下肢切断を回避 注目の「PRP療法」を詳しく知る

公開日: 更新日:

■痛みやつらさがない治療

 PRP療法は、下肢切断の前、つまりトラフェルミン・陰圧閉鎖療法を行っても効果が見られない患者が対象。PRPとは患者の血液を遠心分離して得られた血漿で、その中に含まれる細胞増殖因子の働きを利用して潰瘍の治癒率を上げる。

 前述の通り、トラフェルミンも細胞増殖因子の働きを利用している。しかし、含まれているのは1種類だけ。一方、PRPには複数の細胞増殖因子が含まれている。

 PRPを作る井上肇幹細胞再生医学講座特任教授は言う。

「人によって細胞増殖因子の含有率、含有量は違います。PRPは患者自身の血液をもとにしており、その人に合った構成の細胞増殖因子が含まれているのです」

 40~60ミリリットルの血液(献血の7~10分の1程度)を採取し、遠心分離機でPRPを作成。4回に分け、1週間に1度の外来で潰瘍部分に塗布する。1クール(週1×4回)で痛みが消えたり、皮膚の形成が見えてくるなど効果が表れれば、2クール目に進む。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」