糖尿病の下肢切断を回避 注目の「PRP療法」を詳しく知る

公開日: 更新日:

 血糖コントロールが悪い糖尿病は、足の皮膚の潰瘍を再発しやすく、7~20%が下肢切断になる。これを避ける治療として注目を集めているのが、PRP(多血小板血漿)療法だ。

 下肢切断は生命予後が悪い。術後の死亡率は、1年で約30%、3年で50%、5年で70%といわれている。

「いかに切断を回避するかが重要。PRP療法がとても良い治療成績を出しています」と言うのは、聖マリアンナ医科大学病院形成外科学の相原正記病院教授らだ。

 皮膚潰瘍の治療は通常、「軟膏→皮膚潰瘍の治療薬トラフェルミン(商品名フィブラストスプレー)あるいは陰圧閉鎖療法→皮膚の移植」と進む。軟膏は軽症の皮膚潰瘍に対する治療で、糖尿病による皮膚潰瘍ではトラフェルミンや陰圧閉鎖療法を試みる。

 トラフェルミンは、細胞増殖因子(bFGF)が細胞に作用して、肉芽形成、血管新生、上皮化を促進する。陰圧閉鎖療法は、潰瘍部分を専用素材で覆って陰圧に保ち、治癒を促す治療法だ。

 皮膚の移植は患者の全身状態の悪さから行えないことも多く、トラフェルミンや陰圧閉鎖療法でうまくいかない場合、多くは下肢切断しか手がなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ