【心筋梗塞】意識を失ったらすぐに心臓マッサージ
「糖尿病の人は合併症の神経障害で胸痛が出ない場合があります。その時は『冷や汗』が重要なポイントになります。冷や汗は自律神経の症状で、重症な人ほど出やすい。心筋梗塞の疑いがかなり強くなります」
これらの症状が30分以上続くようなら、すぐ救急車を呼ぶ。心筋梗塞で死亡する人の半数以上は発症から1時間以内に集中しているが、それは心室細動(危険な不整脈)が起こるからだ。この時に不整脈のため気を失う。
「腹痛だと思ってお風呂に入ってしまう人がいますが、絶対に入らないでください。脱水を起こして、さらに悪化させてしまう。心房細動を起こす危険性も高くなります」
かかりつけ医からニトロ製剤(硝酸薬)を処方されていれば、飲んでもらいたいという。心筋梗塞には効果はないが、冠動脈が一過性にケイレンを起こして収縮する「れん縮性狭心症」の場合にはよく効く。
では、救急車到着までに意識を失った場合、どうすればいいのか。
「心室細動が最も考えられるのであればAED(自動体外式除細動器)を使うのがいいが、なければ心臓マッサージを開始してください。人工呼吸はやらなくても生存率は変わりません。その際に、脳を守るために首を氷などで冷やしてもらうと、治療後の後遺症が出にくくなります」