健康診断受診者の2割 酒を飲めない人の脂肪肝はなぜ怖い
「血糖値が高いと浸透圧の関係から血液などの体液が増えるうえ、インスリン抵抗性からより多くのインスリンが必要とされ、高インスリン血症という状態になります。そうなると、腎臓でのナトリウムの排泄が減り、交感神経が緊張し、血管壁が厚くなることで血圧が高まるのです」
また、脂肪肝が悪化すると、全身が肥満体質になりやすいこともわかっている。肝臓の脂肪の量が多いほど骨格筋のインスリン抵抗性が高くなる。脂肪肝の悪化が、肝臓だけでなく全身のインスリン抵抗性の悪化に影響を及ぼし、さらに脂肪肝があることでインスリン抵抗性がさらに進行してしまうという悪循環に陥りやすい。
「つまり、脂肪肝は生活習慣病の起点となる病気なのです」
最近ではがん発症の原因としても注目されている。
「脂肪肝は肝がんだけでなく、大腸がんや口腔がんなどのリスクであることがわかってきています」
ちなみにお酒に酔いやすい人は飲酒の習慣がなくてもNAFLDを発症するリスクが特に高くなるという。日頃から散歩や緑茶を飲むなどの習慣をつけることが大切だ。