Aβ減らすアーモンドやナッツで認知症は本当に防げるのか

公開日: 更新日:

「アルツハイマー型認知症の主犯は老人斑のもととなるAβというのが依然有力視されていますが、最近では状況が徐々に変化しています。7月のアルツハイマー病協会国際会議(開催地ロンドン)では、タウタンパク質に言及する論文が増えました。製薬会社もAβから関心が移り、タウタンパク質をターゲットにした薬研究が進んでいます」

 その理由は「脳内のAβ除去で認知症は防げる」とのコンセプトで世界中の学者や製薬会社が認知症治療に取り組みながら、ことごとく失敗に終わったから。Aβの量を減らしても認知症の進行は阻止できないことが明らかになりつつあるという。

 たとえば、Aβをつくり出す働きがある酵素を阻害する化合物が数多く開発されたが、良い結果は出ていない。最近では、ベルベセスタットという化合物が、軽・中度の患者を対象とした初期の臨床試験で好結果が出たとして注目されたが、大規模臨床試験では効果を得られず、今年2月に試験打ち切りとなっている。

■Aβはむしろ脳卒中に関連か

 現在、Aβ仮説に基づく創薬研究で最大の注目は、米バイオジェン社の「アデュカヌマブ」という抗体。その投与により、認知機能の改善が認められたと「ネイチャー」誌が取り上げた。現在、国際共同試験(フェーズⅢ)が始まっているが、ベルベセスタットのように少人数ではよくとも、大規模臨床試験では結果が出ない可能性もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末