米国誌で研究報告 ビタミンDを取りすぎるとむしろ骨が減る
ビタミンDというのは正常な骨を作るのに必要な成分です。足りないと骨軟化症(くる病)という病気になって、強い骨が作られなくなります。骨が減ると骨粗しょう症になります。その予防のために、ビタミンDのサプリメントを取っている人も多いのではないかと思います。
確かにビタミンDが不足すると、骨が不健康な状態になることは事実です。しかし、普通に食事を取っていれば、通常は問題になるようなビタミンDの不足は起こりません。それでは、ビタミンDの不足がない人が、サプリメントとしてビタミンDを取ることには、危険はないのでしょうか? 今年の米国医師会雑誌に、それについての研究結果が発表されています。ビタミンDは1日400単位取れば十分と考えられています。そこで400単位のサプリメントと比較して、4000単位や1万単位という、多い量のサプリメントを取った時の、骨の変化を調べてみたのです。
検査は最新の骨の量や強さを測定できる機器により行われました。3年間の使用により、サプリメントの量が多いほど、逆に骨に含まれるカルシウムの量は低下していました。つまり、ビタミンDをサプリメントで大量に取ると、骨の量は増えないばかりか、逆に減っていたのです。
その原因はまだ不明ですが、ビタミンDのサプリメントは多ければ良い、というものではないようです。