著者のコラム一覧
牧田善二糖尿病専門医・AGE牧田クリニック院長

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

「肉をたくさん食べると心筋梗塞や脳卒中になる」は間違い

公開日: 更新日:

 脂肪の摂取量が少ないと、肺や心臓の動脈の梗塞が進んで脳出血、脳梗塞心筋梗塞を起こしやすくなるというわけです。

 研究は男女合わせて約8万2000人を対象にして、その食事の傾向と循環器疾患の発生率の関係を約11年にわたって追跡調査したものです。それぞれ事前の5年間における調査で脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患やがんになった人がいないことを確認したうえで追跡調査が行われています。信頼性の高い調査だと言えるでしょう。

 むろん、この論文も将来、新たな研究で否定される可能性はあります。しかし、それまでは、「肉などから得られる飽和脂肪酸の摂取量が少なく、炭水化物をたくさん食べた方が脳卒中や心筋梗塞の発症率が高い」というデータから考えて行動すべきだと思います。

 いまは2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる、という事実から、がんによる死を免れることに重きが置かれていますが、依然として脳卒中は死に至る病気の上位にあります。しかも、死に至らずとも残った障害に苦しむことが多い。

 私は、日本人はしっかり肉を食べるべきだと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状