死亡数は同程度というが…コロナとインフルどちらが怖い?
新型コロナウイルス感染症で死ぬ人と、同じくらいの数の人が毎年インフルエンザで死んでいる、というような意見があります。新型コロナとみんな騒いでいるけれど、実際には風邪の一種で大したことはないのだ、と言うのです。
皆さんはこの意見をどう思いますか?
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっているアメリカでは、今年の5月初めまでに6万5000人が死亡しています。ところが、インフルエンザが大流行した2017年から18年のシーズンには、6万1000人がインフルエンザのために死亡した、と報告されています。
これを見る限り、新型コロナとインフルエンザの死亡数には、それほどの差はなさそうです。しかし、実はこの2つの死亡数の数字は、同じように集計されたものではありません。新型コロナの死亡数というのは、実際にその病気で死亡した一人一人を集めた数字です。
その一方でインフルエンザの死亡数というのは、同じように報告された患者数から、実際にアメリカ全土で死んだ患者数を、推測して計算された数字なのです。ある期間の報告されたインフルエンザの死亡数は3448人ですが、米国疾病対策センターが推定したインフルエンザの死亡数は2万3000人です。
そこで実際に1週間に報告された死亡数で両者を比較してみると、少なくともインフルエンザの10倍以上、新型コロナでは患者が死亡している、ということになるのです。今怖いのは、やはり新型コロナの方であるようです。