ベッドでは「眠る」以外の行動をしてはいけない
■何か作業をするなら「場所」を変えること
また、脳を目覚めさせる役割がある「アセチルコリン」という神経伝達物質も睡眠に悪影響を与えます。アセチルコリンは、眠っている間に周囲の刺激に反応して、安全を確保できるよう監視しています。ベッドの中で眠りに関係ない行為をする習慣があると、睡眠中にアセチルコリンの働きが活発になり、目覚めやすくなってしまうケースもあるのです。
つまり、寝つきを良くして睡眠の質を高めるためには、「ベッド=眠る場所」であること、「ベッド=安全な場所」であることを脳に覚え込ませる必要があります。
ただ、習慣というのはそう簡単には変えられないものです。長い間ベッドの中で読書をしてきた人は、眠る前の読書時間がないとかえって落ち着かなくなって寝つきにくくなる場合もあります。ベッドでスマホをいじらないと眠くならない……という人も同じです。
そこで、「行為」は変えずに「場所」を変えてみましょう。ベッドのそばにイスとテーブルを設置するなどして、そこを読書やスマホを使うスペースにするのです。就寝前はそのエリアで本を読んだりスマホを操作するようにして、リラックスして眠くなってきたら、本やスマホを置いてベッドに入ります。就寝前の習慣になっている作業を行う場所を変えて、「ベッドに入ったら眠りがスタートする」「ベッド=眠る場所」ということを脳に教え込むのです。