下肢静脈<下>足のポンプ機能は手軽な5つの体操で鍛えられる
日本静脈学会理事長で「慶友会つくば血管センター」(茨城県守谷市)の岩井武尚センター長が言う。
「日本古来の和室の生活スタイル(あぐらや正座)から椅子の生活スタイルに変わり、足の力を使う生活が減ったことで下肢静脈瘤やエコノミークラス症候群(静脈内にできた血栓が飛んで、肺動脈を塞ぐ病気)の発症が20倍以上増えたといわれます。下肢静脈の負担を減らすケアの基本は足を頻繁に動かすこと。歩かなくても、足首を動かすだけでも筋ポンプは働きます」
そこで日常の合間にできて効果の高い、岩井センター長が勧める足のストレッチ体操を紹介する。立ち姿勢でやるものと、椅子に座った状態でやるものがある。
ここで紹介する3つは、ふくらはぎの筋肉と、太もも、お尻の筋肉。股関節を効果的に動かすための体操になる。
■かかと浮かせストレッチ
①椅子を用意する。椅子の後ろに立ち、背もたれに両手を添え、肩幅程度に足を開く。その姿勢で少しだけかかとを浮かせる。