インテリのヘンリー8世を暴君にしたのは「梅毒」だった?
感染から3カ月以上経過するとこんどは発熱や倦怠感、頭痛などの症状があらわれます。これが第二期梅毒です。その代表的な症状が梅毒性バラ疹です。顔や手のひら、足の裏を含め全身の皮膚に淡く赤い発疹が多数できます。この梅毒性バラ疹があるかないかで、梅毒に感染しているか否かがわかるのです。
感染から3~10年以上経過すると梅毒三期となります。皮膚だけでなく骨や筋肉、内臓にも硬いしこりやゴム腫ができて、周囲の細胞を壊していきます。よく梅毒になると「鼻落ち」「鼻欠け」といわれるのはこの時期の症状を言います。
感染から10年以上経つと心臓血管や脳神経が侵され、血管が破裂したり、言動がおかしくなったりします。
ちなみに中世ヨーロッパでは男も女も好んでかつらを使用していますが、それも梅毒と関係していると言われています。第二期梅毒の症状に梅毒性脱毛があるからです。かつらはもともとペスト菌を運ぶノミを駆除するために短髪にしたために普及したといわれますが、その後は梅毒隠しだった可能性もあるわけです。