インテリのヘンリー8世を暴君にしたのは「梅毒」だった?
一般的には暴君とされるヘンリー8世ですが、実はイングランド王室史上最高のインテリとも言われ、ラテン語、スペイン語、フランス語を話し、作曲家や文筆家としても活躍。スポーツも得意で馬上槍試合や狩猟などもこなしたと言われています。時代を代表する建築物を作り、華やかな宮廷文化を作りあげたヘンリー8世を残忍な暴君にしたのは「梅毒」だったのではないでしょうか。若いからと奔放な生活をしていると人生の勝ち組にならないとということでしょう。
ちなみに、ヨーロッパの女性は夜の正装として背中が大きく見えるイブニングドレス(オープンバックドレス)を身にまといます。実はこれ、梅毒の流行が生んだファッションだったともいわれています。「私は梅毒ではないわ。バラ疹もないわ。きれいな皮膚でしょ」というわけです。
梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌が原因の性感染症で、感染すると全身に様々な症状を引き起こします。症状は4つに分かれていて、感染後、3週間~3カ月が第一期梅毒で性器や肛門などの感染部位に「初期硬結(しょきこうけつ)」と呼ばれる硬いしこりができます。その後このしこりの中央から崩れはじめ「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる潰瘍が生じさらに(足の付け根)鼠経リンパ節の無痛性腫脹があらわれますが、発熱もなく4~6週間すると病変は消失してします。