化膿性汗腺炎 繰り返すおできの原因は毛穴の詰まりによる炎症
皮膚の病気は多岐にわたっており、私が勤務する日本大学医学部付属板橋病院には、日々、実にさまざまな患者さんが訪れます。そんな中から、病気の認知度は低いものの、患者さんの数が相当いると予想される「化膿性汗腺炎」についてお話ししましょう。
この病気は一言でいうと、“繰り返すおでき”です。日本では男性、特に20~40代の比較的若い世代に多く、わきの下やお尻、脚の付け根といった汗をかきやすい場所にできます。
最初はポツポツとしたおできで、見た目はニキビにも似ているため、「大したことないだろう」と放っておきがち。しばらくすると確かに治るのですが、また現れたりします。
それを繰り返しているうちにどんどん悪化し、皮膚に穴が開いたようになり、ひどい場合は膿が出ることもあります。ここまでくると痛みも相当増していて、歩いたり、座ったりするのが苦痛、腕が上がらないなど、運動機能に支障が生じるようになります。
汗の出やすい部分に症状が現れることから「汗腺炎」とも呼ばれるのですが、実はこの病気は汗とは関係なく、毛穴が詰まって炎症を起こす「毛穴の病気」です。