著者のコラム一覧
小川誠司仙台ARTクリニック副院長

1978年、兵庫県生まれ。2006年名古屋市立大学医学部を卒業。卒後研修終了後に慶應義塾大学産科婦人科学教室へ入局。2010年慶應義塾大学大学院へ進学。2014年慶應義塾大学産婦人科助教。2019年那須赤十字病院副部長。2020年仙台ARTクリニックに入職。2021年より現職。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。

不妊治療を続けても難しい場合の選択肢 卵子提供の実情と課題

公開日: 更新日:

 44歳のA子さんは、41歳の頃から不妊治療を開始して体外受精へと治療を進め、何回も胚移植を行ないましたが、妊娠には至っていません。最近は採卵を試みましが卵子すら採れなくなっており、「もうこれ以上、治療を続けても意味がないでしょうか?」と担当医に尋ねました。

 体外受精を行えば、すべての人が妊娠できるというわけではありません。患者さんの年齢、これまでの治療経過、卵巣機能を総合的に判断し、治療を継続しても妊娠を見込める可能性が極めて低い場合には、「治療を続けても妊娠は難しいです」と正直にお答えします。絶対に妊娠しないとは誰も言えませんが、漫然と治療を続ければ多大なるお金と時間を要し、また別の選択肢を選ぶ機会を逸してしまう可能性もあるのです。

 自分自身の卵子での治療をあきらめた場合、次にお子さんを持つための選択肢となるのは、他の女性から卵子をもらい受ける卵子提供か、特別養子縁組などの制度を利用することになります。特別養子縁組は昨年4月に民法が改正され、縁組を望む夫婦の手続きが軽減されましたが、それでもいまだにハードルは高く、なかなか増えていないのが現状です。

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