「快眠食」でコロナ禍の睡眠不調を改善する 感染予防にも重要
食事で睡眠の質を高めるために意識したいのが栄養素だ。快眠につながる効果があると考えられている代表的な3つの成分を解説してもらった。
①トリプトファン
睡眠の質を高めるには睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の働きが重要だ。体温や血圧を下げて眠気をもたらしたり、睡眠を持続させる作用がある。「トリプトファン」はそのメラトニンの原料にあたる。
「トリプトファンは体内では合成できない必須アミノ酸で、食物などから摂取する必要があります。朝食でトリプトファンを取ると、昼間には体内でやる気を高める神経伝達物質のセロトニンに変わり、夜にはメラトニンに変化します。トリプトファンは豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に多く含まれ、肉や魚、お米でも摂取できます。ただ、トリプトファンは単体ではメラトニンに変換されません。変換を促し、吸収を高める炭水化物やビタミンB6と組み合わせることが重要です。また、腸内環境を整えることも大切です」
トリプトファンの1日の推奨摂取量は体重1キロ当たり4ミリグラムで、60キロの人は240ミリグラムになる。白米100グラムで82ミリグラム、木綿豆腐100グラムには98ミリグラム含まれているので、一般的な食事だけで十分に摂取できる。