空気感染が注目されるが…「飛沫」を浴びた料理への警戒心が薄れていないか?

公開日: 更新日:

 しかしいまは、この2つは口腔内の舌、味蕾、歯肉溝にも存在することが明らかになっている。

「飛沫を浴びた料理を介して口腔内から感染することを科学的に証明した論文は知りません。しかし、向かい合って食事をしただけで感染、感染者が配った料理を食べた人の感染が明らかになるなどが報告されています。口の中にたくさんの侵入口がある以上、口腔内感染は理論上あってもおかしくないと考えます」

 岩室医師の懸念は飲食中の感染リスクの高さが広く認識されたのに、今回エアロゾル感染が強調されたことで、飛沫を浴びた料理への警戒感が薄れつつあることだ。

「よくある誤解は食品と料理を混同して安心することです。流行当初の世界保健機関の暫定ガイドラインや厚労省見解でも、野菜や魚を含む食品を介しての感染の可能性は非常に低いとしています。食品上でウイルスは増殖しないからです。しかし、それと飛沫を浴びた料理やウイルスが付着した手で触った料理をすぐに口にするのとは別です」

 オミクロン株以降、味覚障害の報告数が減っている。これは料理を介した感染が低下したからではないか。岩室医師はそう推察している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」