アルツハイマー病は発症前に見つける 受けるべきは「アミロイドPET検査」
アルツハイマー病を発症前に見つける──。これは、私が院長を務める「アルツクリニック東京」で力を入れていることのひとつです。
アルツハイマー病とは認知症の一種で、認知症の原因の7割を占める病気です。現時点では、臨床現場で使える「アルツハイマー病を治す薬」はないため、「早く見つけても意味がないじゃないか」という意見もあります。
これに関して、私としては早期発見を推奨したい理由がたくさんあるのですが、それはまた別の回でじっくりと。連載第1回の本欄では、「発症前に見つける」についてお話ししたいと思います。
アルツハイマー病を発症前に見つける方法として、読者の皆さんが頭に浮かべるのが、「脳ドック」ではないでしょうか?
人間ドックのオプションなどで広く行われている脳ドックは、MRIを使って脳を調べます。MRIは自覚症状のない脳梗塞、くも膜下出血の原因となる動脈瘤、脳腫瘍、血管性認知症を見つけるのに適しています。ちなみに血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳の血管の病気の結果、認知機能が段階的に低下していく病気です。