小学校に上がるまでの栄養状態でその後の学力や知力が決まる 医療情報学教授が解説
とはいえ身長が少し低いからといって、何が問題なのか。しかし以前から「東大生は、他大学の学生よりも平均身長が高い」といった噂がネットで流れており、いまでもときどき話題に上ることがある。その真偽は分からないが、身長とIQに正の相関があることは、世界的によく知られている。
■日本の親ガチャは「外れ」ばかりに?
たとえば、2016年にイギリスで発表された論文では、低身長・高BMI(背が低く、太っている)の人は社会経済的地位が低く、とくに男性では身長が数センチ高くなると、専門性の高い職業に就ける確率が10%上がり、年収が1200ポンド以上高くなるとしている。同様の研究は多数あるし、大企業のCEOには背が高い人が多いといった記事もよく見かける。
さまざまな理由が考えられているが、もっとも妥当とされているのは、幼少期の食事や栄養との関係だろう。
脳がうまく発達するためには、良質のタンパク質やビタミン類、ミネラル類が欠かせない。私の知人の栄養学者は、小学校に上がるまでの栄養状態で、その後の学力や知力が決まってしまうと言っている。もちろん、脳に良い食事は体にも良いはずだから、身長も伸びやすいはずだ。結果として、身長とIQが相関しているのだろう。