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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大学生の体格からみる「所得格差は健康格差」医療情報学教授が語る

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所得格差は健康格差①

 昨年、大阪大学から興味深い研究が発表された。2007年から15年までに、大阪大に入学した学生約2.6万人の毎年の健診結果を調べたところ、自宅から通学している学生と、ひとり暮らしの学生では、体重増のリスクが異なっていたというのである。

 たとえば、在学中に体重が10%以上増加するリスクは、自宅通学を1とすると、男子で1.24、女子で1.76だった。ひとり暮らしの女子は、かなり太りやすい傾向にある。

 体重増には、夕食の頻度が影響しているらしい。ほぼ毎日夕食を食べている学生と比べて、そうでない学生のほうが、男女とも太りやすいという。ひとり暮らしのほうが、自宅通学者よりも食事が不規則になりやすい。BMIが25以上に増えるリスクは、男子1.18、女子1.67だった。「BMIが25以上」とは、身長150センチなら体重57キロ以上、160センチなら64キロ以上だ。

 これらの結果は、コロナ禍より前のデータによる。20年から21年にかけて、多くの大学が閉鎖されていたため、実家に戻った学生も多かったはずだ。しかし中には、最近まで帰省しなかった(できなかった)学生もいるだろう。大学の授業はほとんどがオンラインになっていたので、外出や運動の機会が減り、自室にこもってパソコン相手の生活を強いられた。

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