血栓には2種類ある O型は足の付け根の静脈に「フィブリン血栓」ができにくい?
血管内でできる血の塊を「血栓」と呼びます。顕微鏡を使わないと見えない微小なものから、太い血管を塞いでしまうほどのものまで、大きさはさまざまです。
以前お話ししたように、出血を止める際に、血小板は小石、フィブリン(血液中のタンパク質の一種)は速乾性セメントの働きをします。まず血小板が血管の破れた部分に集まって積み重なり、次にその隙間をフィブリン線維が埋めて固めるわけです。
ところが血栓のでき方は、もう少し複雑で、その成り立ちから、「血小板血栓」と「フィブリン血栓」の2種類に分かれています。
まず血小板血栓です。こちらは動脈にできやすい血栓で、とくに動脈硬化が重要なリスク因子です。動脈硬化が進むと、動脈の内壁に、アテローム性プラークと呼ばれる塊ができます。これは、脂質や炎症細胞が混ざり合ってできた、カサブタのようなものです。それが血流によって剥がれると、血管内壁のキズがむき出しになるため血小板が集まってきて、血栓を作るのです。血栓吸引カテーテルという装置で吸い出してみると、白っぽい色をしているので、「白色血栓」と呼ばれることもあります。