血栓には2種類ある O型は足の付け根の静脈に「フィブリン血栓」ができにくい?
一方、フィブリンタンパク質は、血液中で常に離合集散していながら、バランスを保っています。それが何らかの原因で繊維状(網状)に結合すると、周りの赤血球を絡めとって、血栓を作り出してしまうのです。それがフィブリン血栓です。赤血球が多く含まれているので、「赤色血栓」とも言います。
フィブリン血栓は、主に静脈にできます。血流が滞りがちのところにできやすく、とくに足の付け根の静脈は、太くて血流が遅くなりがちなので、フィブリン血栓が最もできやすい場所になっています。
血栓が血管を詰まらせると、さまざまな病気が発症しますが、原因がどちらの血栓かで、治療法やその後の予防法が違ってきます。血小板血栓ができた人には抗血小板薬(血小板の働きを抑える薬:バイアスピリンなど)が使われ、フィブリン血栓ができた人には、抗凝固薬(フィブリンの働きを抑える薬:ワーファリンなど)が処方されます。
血液型との関係でいえば、フィブリン血栓のほうに違いが出やすいことが予想されます。O型はフォン・ヴィレブランド因子が少なく、そのため第Ⅷ凝固因子が薄めで、フィブリン分子が他の血液型よりも固まりにくいことが特徴だからです。