著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血栓には2種類ある O型は足の付け根の静脈に「フィブリン血栓」ができにくい?

公開日: 更新日:

 一方、フィブリンタンパク質は、血液中で常に離合集散していながら、バランスを保っています。それが何らかの原因で繊維状(網状)に結合すると、周りの赤血球を絡めとって、血栓を作り出してしまうのです。それがフィブリン血栓です。赤血球が多く含まれているので、「赤色血栓」とも言います。

 フィブリン血栓は、主に静脈にできます。血流が滞りがちのところにできやすく、とくに足の付け根の静脈は、太くて血流が遅くなりがちなので、フィブリン血栓が最もできやすい場所になっています。

 血栓が血管を詰まらせると、さまざまな病気が発症しますが、原因がどちらの血栓かで、治療法やその後の予防法が違ってきます。血小板血栓ができた人には抗血小板薬(血小板の働きを抑える薬:バイアスピリンなど)が使われ、フィブリン血栓ができた人には、抗凝固薬(フィブリンの働きを抑える薬:ワーファリンなど)が処方されます。

 血液型との関係でいえば、フィブリン血栓のほうに違いが出やすいことが予想されます。O型はフォン・ヴィレブランド因子が少なく、そのため第Ⅷ凝固因子が薄めで、フィブリン分子が他の血液型よりも固まりにくいことが特徴だからです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」