サル痘は「目」の合併症にも気を付けたい 失明につながる危険も
しかも「結膜炎」が報告された症例はそうでない症例と比較して悪心、悪寒・発汗、口内炎、喉の痛み、リンパ節腫脹、倦怠感、光線過敏症などの頻度が高かったという。
さらに「結膜炎」の症例の47%が「寝たきり」と報告したのに対し、「結膜炎」のない症例の寝たきりは16%だけだった。
「報告では結膜炎を伴うサル痘は、失明を引き起こす可能性のある角膜瘢痕リスクがあるとしています。角膜とは一般の方が『茶目』と呼ぶ部分で、眼球の一番表面に位置する透明な組織です。茶目と呼ばれるのは、角膜よりも奥にある虹彩が、透明な角膜を通して茶色に見えるためです。角膜は5層から成っていて、5層のいずれの層が障害されても、視力は低下します。より深い層まで障害されればされるほど、治癒後に瘢痕という白い混濁が残り、失明を含めた深刻な視力障害の原因となります」
そもそもコンゴ民主共和国、カメルーン共和国、中央アフリカ共和国などのサル痘ウイルスのエンデミック国では、サル痘の患者は結膜炎を含めた重篤な合併症を発症することが報告されている。