「話す」「耳を傾ける」が脳の活性化につながる 思い出話を大いにしよう
■締めくくりは「楽しい話」で
回想法は個人で行う場合と、グループで行う場合があります。本欄では、個人で行う場合についてお話ししましょう。
回想法は、本人にある程度の聴力やコミュニケーション能力などがなければ、効果が発揮できません。まずは、それらがあるかどうか。お話しする側が抵抗なく話せるテーマを選ぶこと、聞き手側は、それらのお話を理解できるように、当時のライフスタイルなどを理解しておくことも大事です。昔の写真、使われていたものなど、過去を思い出しやすいものを準備しておくと、スムーズに回想法が進むでしょう。
お話しする側が、途中までは楽しそうだったのに、ある話題になった途端つらそうになるケースも。過去の経験は、必ずしも楽しいことばかりではありません。状況に応じて会話を変えることも、聞き手側に求められます。また、回想法の目的は、過去の出来事を正確に思い出すことではありませんから、つじつまが合わなかったり、年号が事実と違っていると感じる点があっても、いちいち誤りを指摘しないように。そして、話の終わり方、これを「クロージング」と呼びますが、これにも注意を。苦しかった話で終わると、そのつらい気持ちを日常生活まで引きずってしまいます。最後はぜひとも、楽しい気持ちになる話、希望の持てる話で締めてください。