著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

がんの治療は病院で、貧血の治療は在宅で…使い分けも可能

公開日: 更新日:

 在宅医療を利用する患者さんはさまざまな事情を持っています。病状や年齢によってもいろいろなケースがあり、すべての治療を在宅医療が担当する場合もあれば、ある部分は病院、ある部分は在宅、と分担する場合もあります。

 最近、私たちの診療所で在宅医療を開始することになった90歳の男性。胃がんで、リンパ節転移があり、ここにきて肝臓への転移の恐れが出てきたとのこと。これまでは通院でがんから来る痛みを薬でコントロールしていたのですが、今後を考えるとADL(日常生活動作)の低下が予想されたため、在宅医療に切り替えることにしたのです。

 長男には主治医の先生から、余命が数年だろうと告知されていました。しかし、患者さん本人は90歳とは思えないほど、ましてやがんを患っているとは思えないほど、しゃっきりとされています。ご自身も、介護の必要性を全く感じていない。

 長男によれば、手術を受け、その後、抗がん剤治療を受ける予定でいたのですが、90歳という年齢を考慮し、長男をはじめご家族と主治医が話し合った結果、積極的な治療はせず、緩和に重きを置いて、となったとのこと。ただ患者さん本人は、もうちょっと頑張れるのにと、戸惑い気味のようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット